万が一借金を抱えてしまい、支払いができないような状況に陥ったときに行う債務整理。
そのような状態の人は、債務整理をする前にクレジットカードを使って資金を調達するクレジットカード現金化を行っていることも少なくありません。
ですが現金化をすると債務整理にも影響が出るため注意が必要です。
本章ではクレジットカード現金化の方法でクレジットカードを現金化したことで、債務整理ができなくなる可能性について解説します。
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この記事でわかること
債務整理をするための3つの方法
債務整理は借金の支払いができない時に元本の金額を減らしたり、利息をカットするなどの方法で返済ができる状態にすることを言います。
債務整理は大きく次の3つの分けられます。
- 任意整理
- 個人再生
- 自己破産
それぞれ性質が違うため、よく確認した上でどの方法で債務整理を行うかを考えてください。
任意整理
任意整理は債権者であるカード会社や消費者金融などと交渉を行い、借金を無理なく支払えるように返済方法を変更する手続きです。
毎月増えてしまう利息をカットしたり、生活に支障をきたさない範囲で支払えるように支払いを分割にすることが多いです。
クレジットカード現金化で任意整理を行う場合、カード会社と交渉をして残額を分割で支払えるようにしたり、利息を無くしてもらうこととなります。
任意整理は裁判所などを間に挟まず直接交渉で行うことができますが、双方が合意しなければできません。
また任意整理では借金の金額自体は変わりません。
個人再生
個人再生は裁判所に依頼して行う債務整理です。
個人再生を行うと原則3年間(最大5年間)で返済ができるように借金を大幅に減額してもらうことが可能です。
借金を減らすとなると自宅などを手放すイメージがある人もいるでしょうが、個人再生は住宅などの財産を維持したまま行えます。
クレジットカード現金化をしたせいで個人再生を行う場合は、裁判所に依頼をしてカード会社に対して本来の支払金額を減額が行われるように指示をしてもらえます。
任意整理とは違い借金自体を減らせますが、カード会社と直接交渉することはできず、裁判所への依頼が必要で、どの程度減額されるかも裁判所が判断することとなります。
自己破産
自己破産は借金を支払う能力がないことを裁判所に認めてもらうことで借金の支払い義務を免除してもらう手続きです。
他の債務整理では借金自体は残るため支払い義務が生じましたが、自己破産の場合は支払自体をしなくてよくなります。
もし1,000万円など高額な借金を抱えていたとしても、自己破産が認められれば1円も支払う必要はありません。
ただし自宅などの価値のある財産はすべて手放す必要があり、デメリットも大きい方法です。
また個人再生と同じく裁判所に依頼をし、支払い能力がないことを認めてもらう必要があります。
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現金化をすると債務整理が難しくなる！
クレジットカード現金化はカードがあれば資金調達ができるため、借金返済のために現金化に手を出す人も少なくありません。
また高額な現金化もできることから、現金化をしたせいで支払いが難しくなるといった人もいます。
実はクレジットカードを現金化すると債務整理に大きな影響があり、断られてしまうケースも少なくありません。
ここからはクレジットカード現金化の債務整理への影響を解説していきます。
任意整理が難しい理由
借金返済のためにクレジットカードを現金化したけれどもカードの支払いができなかったり、カードを現金化したせいで借金を抱えてしまった場合、任意整理は難しくなります。
これは、クレジットカードの支払いに対して任意整理をする場合、交渉相手がカード会社になるためです。
クレジットカードの現金化目的での使用はカード会社の規約で禁止されています。
そのため現金化のせいで支払いが厳しくなるといった状況は、カード会社からすると交渉を受け入れるのが難しいためです。
もし任意整理が認められたとしてもかなり厳しい条件になってしまう可能性が高いです。
個人再生が難しい理由
クレジットカードの現金化は個人再生にも影響する可能性があります。
それは、複数のクレジットカードを使って現金化をしていた場合です。
複数の会社から借金をした状態で個人再生を行う場合、債権者の過半数の同意がなければ個人再生を行えません。
そのため一部のカード会社が個人再生を認められないと判断すると、借金を減らしてもらえないのです。
クレジットカードの現金化はカード会社の規約に違反する行為であり、それが原因の借金はカード会社からすると印象が悪くなります。
結果同意を得られず、個人再生を行えなくなる可能性も0ではありません。
自己破産が難しい理由
クレジットカード現金化をしていると、自己破産が認められない可能性があります。
これは、自己破産には免責不許可事由というものが定められており、クレジットカード現金化は免責不許可事由に当たる可能性があるためです。
クレジットカード現金化が免責不許可事由に該当するかどうかは裁判官が判断します。
そのため悪質だと認められたり、反省していないと裁判官に判断されるとまず自己破産は認められません。
もちろん免責不許可事由に当たらないと判断してもらえる可能性もありますが、絶対に自己破産ができるわけではないので注意が必要です。
クレジットカード現金化を債務整理せずに利用するコツ
クレジットカードを現金化すると債務整理ができなくなる恐れがあります。
ですがそもそも債務整理をしなくてもいいように現金化をするのが一番大切です。
ここからは債務整理をしなければいけない状況に陥らないように現金化をするコツを紹介していきます。
支払い可能な金額だけを利用する
クレジットカードを現金化するときには、必ず支払いができる金額だけを行ってください。
現金化はあくまでクレジットカードで買い物をしているので、翌月に支払いをしなければいけません。
高額な現金化ができずに支払いができなくなり、結果借金を抱えて債務整理をすることになる人もいるので利用する金額には注意してください。
分割払いを活用する
もし高額な現金化をしたいのであれば、分割払いを活用するのも1つの手です。
現金化業者ではあくまでECショップで買い物をするため、分割払いが利用できるケースが多いです。
分割払いなら少し手数料はかかりますが、月々の負担を減らせるため支払えなくなるリスクが低いです。
ただしクレジットカード自体が分割払いに対応している必要があります。
カード会社に現金化がバレないようにする
現金化による債務整理のリスクを下げるには、カード会社にバレずに現金化をすることも大切です。
もし現金化をしたことがカード会社にバレると、未払い分を一括で請求されます。
これは分割払いやリボ払いの残高も含まれるため、高額な支払いとなる可能性が高いです。
実際、現金化がバレて一括請求をされたことで支払いができなくなり、債務整理をする人も少なくありません。
現金化をした人が債務整理をするなら弁護士に相談を
もし債務整理をしたいけれども過去にクレジットカード現金化をしたことがある・現金化が原因で債務整理をしなくてはいけなくなったような場合は、弁護士に相談するのがおすすめです。
弁護士は法律のプロフェッショナルなので、現金化をしたことがある状態でも債務整理ができるように手助けをしてくれます。
またその人の状況に応じて適切な債務整理の方法も提案してもらえます。
特に任意整理におけるカード会社との交渉では、弁護士が代理で行ってくれるため少しでも良い条件に変更できる可能性があります。
現金化をした上での債務整理は相談しにくいかもしれませんが、早期の相談が解決への第一歩となりますよ。
まとめ：クレジットカード現金化は債務整理に影響するので注意が必要
今回紹介してきたように、クレジットカード現金化は便利なだけではなく、債務整理ができなくなる・条件が悪くなるリスクがあります。
もちろん債務整理をしなければいけないような状況にならないのが一番ですが、誰にでも債務整理が必要な状況に陥るリスクがあります。
もしそのような状態になったら弁護士に相談をすれば適切な道を示してもらえ、債務整理を問題なくできる可能性が高くなります。
今回紹介した情報を活用して、万が一に備えておくことをおすすめします。