仕事や旅行で飛行機を利用する人は、意識していなくても知らないうちにマイルがたっぷりと貯まっていて驚くこともありますね。
ANAやJALなどのマイルは飛行機を利用する以外でも貯める方法があり、「陸マイラー」としてポイ活をしている人も多いです。
マイルは航空券の発行など正規の利用法を用いればお得度が高いとされていますが、やはり現金が最も使い勝手が良いので、マイルを現金に変えたいという希望は多くあります。
本章ではANAやJALのマイルを現金化する方法について解説していきますので、ぜひ参考になさってください。
この記事でわかること
ANAやJALのマイルは公式で直接現金化ができない
残念ながらANAやJALのマイルは直接の現金化サービスが用意されていません。
基本的に、マイルはLINE残高や携帯キャリアの電子マネーなどと違い、決済用に用意されているものではなく、あくまで自社のサービスで利用可能なものという位置づけです。
そのためマイルは現金化するよりも正規のサービス利用(航空券の手配等)に利用するのが勧められ、ハイランクの航空券の手配などもお得にできるので仕事などで飛行機をよく利用するのであればこちらの方が損がありません。
それでも顧客の利便性を考えて他社のポイントや商品券などに交換できる仕組みも用意されているので、これを利用すれば手間はかかりますが何とかして現金化が可能です。
ただし、ポイント交換などの手続きの際にロスが生じるためマイルの現金化は手間の面だけでなく費用面の効率性が問題になります。
それでも現金が必要だという場合、上記のデメリットを甘受して現金化を考えることになります。
マイルの現金化は複数の方法が考えられるので、以下でそれぞれ見ていきます。
ANAマイルをTポイント経由で現金化する方法
ANAでは、顧客向けのマイル利用法の一つにTポイントとの交換を認めていて、公式のサービス上で交換手続きが手配できます。
一口10000マイルにつきTポイント10000ポイントとして交換することができます。
ただし、同レートで交換できるのは同一年度内(4月1日~翌年3月31日)につき交換マイル数の累計が20000マイル(2口)までです。
3口目以降は交換レートが半額になるので注意してください。
Tポイントは利用者が多く、使えるお店もかなり多いのでそのままポイントとして使う方がお得ではあります。
どうしても現金化したい場合は、Tポイントの出金も可能なので条件を整えればお金に換えることができます。
ただしレートにより換金の際にロスが出るのでこの点がデメリットになります。
Tポイントを現金に換えて受け取るにはジャパンネット銀行の口座が必要で、その他の銀行口座では現金化ができません。
必ず事前にジャパンネット銀行の口座開設の手配を行ってください。
口座開設はネットで完結できるので手間はそれほどかかりません。
また開設にかかる手数料や年会費なども不要ですので、口座を持っておくことでデメリットはありません。
Yahoo! ウォレット受取口座をジャパンネット銀行に登録すれば、Tポイントを現金として受けとる環境が整います。
Tポイントの現金化は1000ポイント以上から可能で、100ポイント単位で換金に充てることができます。
問題はTポイントを口座に出金する際のレートで、100Tポイントは85円換算として扱われることになります。
ポイント→現金に換える際の交換ロスにより損が出ることは承知しておかなければいけません。
加えて、ジャパンネット銀行のATMから出金手続きを行う際にも手数料がかかることがあります。
ジャパンネット銀行は毎月一回まではATM利用に際して手数料がかかりませんが、二回目以降、引き出しが3万円未満だと利用するATMによって165円もしくは330円の手数料がかかります。
提携ATM | 引き出し3万円未満の場合の手数料 |
---|---|
セブン銀行 | 165円 |
イオン銀行 | |
ローソンATM | |
Enet | |
三井住友銀行 | |
ゆうちょ銀行 | 330円 |
引き出すお金が3万円以上であれば何度利用しても手数料はかかりません。
手数料は地味に痛手になるので、できるだけ3万円以上の出金となるように手配したいものです。
またTポイントの現金化を申し込んでから口座に資金が移動するまで2週間ほどかかるので、即時の現金化は不可能な点も残念なところです。
JALマイルをアマゾンギフト券で現金化する方法
JALもANA同様に公式サービスとしての現金化は不可能ですが、会員特典としてマイルを他のサービス利用にかかる権利に変更できるシステムが組まれています。
このサービスを利用してアマゾンのギフト券に変えることができるので、ギフト券を買取店に売却して現金化することができます。
JALマイルをアマゾンギフト券と交換する際の単位は一回につき10000マイルとなり、交換の回数に上限はありません。
また交換の際に額面上のロスは無いので、10000万円相当のアマゾンギフト券と交換できます。
交換したギフト券の有効期限は引き換え申し込みの受付日から起算して10年間と長いので、時期が許すのであれば実際に現金化せずともギフト券として利用できるチャンスを待つこともできます。
マイルからアマゾンギフト券に交換するにはJALのサイト上で申し込みを行いますが、アマゾンのアカウントがないと交換ができないので、もしアマゾンを利用したことがない人は事前にアカウントの作成が必要です。
ギフト券は実物を郵送で送ってもらうこともできますし、Eメールタイプにすることもできます。
どちらの場合も、申し込みからギフト券が届くまでは1週間から10日ほど待たなければいけません。
Eメールタイプの場合はJALから委託を受けたアマゾン社から直接届きます。
現物郵送の場合、配達先はJALに登録した住所宛てに届くので、間違いがないか確認しておきましょう。
受け取ったアマゾンギフト券はギフトグレースなどの買取店に売却して現金化することになります。
ただしJALの規定上、受け取ったアマゾンギフト券は譲渡不可となっており、会員本人が直接利用することとされています。
現金化してもJALにバレることは通常ありませんが、例えばJALのカスタマーサービスに電話してギフト券の交換手続きについて質問する場合は、現金化目的については告げないでください。
証券会社を経由してマイルを現金化する方法
少し面倒ですが、証券会社を経由してマイルを現金化する方法もあります。
ロジックとしてはANAもJALも同じ仕組みです。
上述したようにANAの場合はTポイントを現金に換える際にロスが大きくなりますし、JALもアマゾンのギフト券を売却する際にレートが落ち込んでいれば現金化ロスが大きくなります。
少しでもロスを減らしたい場合は手間と時間を犠牲にして換金性を高めることもできるので覚えておいて損はありません。
証券会社を経由してマイルを現金化できるのは、ANAもJALも会員向けサービスとして各種のポイントに交換できる仕組みがあるからです。
交換したポイントで利用できる証券会社を利用して、株の売買をしたうえで売却代金を口座に振り込んでもらうのが大筋です。
以下でANAとJAL双方のマイルを現金化する手順について見ていきます。
ANAの場合
ANAの場合は、上でも紹介したTポイントに一旦交換することから始まります。
このTポイントは汎用性が高いので色々なところで使えますが、使用できる先の一つに「SBIネオモバイル証券」があります。
SBIネオモバイル証券はSBI証券とTポイント、そしてマーケティング会社CCCマーケティングの共同出資で設立された会社ですので、Tポイントが使えることは当然とも言えます。
証券会社で取引するため証券口座の開設が必要で手間が要りますが、マイルと交換したTポイントで株を購入し、これを売却することで売却代金を登録口座に振り込んでもらうことができます。
多くの証券会社では取引毎に手数料がかかりますが、ネオモバイル証券は取引高に応じた定額制となっており、月間の株式取引約定代金合計額が50万円以下であればどれだけ取引をしても月額220円の手数料で済みます。
よほど高額のTポイント現金化を望まない限り、通常はこの手数料額の範囲で済むはずです。
株を売却して得る代金を登録した口座に振り込んでもらい現金化することになりますが、その際の手数料は無料です。
出金は1000円以上から1円単位で可能となっており、出金可能金額が1000円以下の場合は金額を指定することはできず、全額出金のみが選択肢となります。
JALの場合
JALも仕組みとしてはANAと同じですが、こちらはdポイントを使って現金化を進めていきます。
JALの公式サービス上でマイルをdポイントに交換することができるので、まずはこちらの手続きを済ませます。
マイル→dポイントへは10000マイルをdポイント10000ポイント換算で交換できます。
こちらは同一年度(4月〜翌3月)内で2回まで、20000マイルが交換の上限となります。
dポイントも色々な方面で利用できるので、ポイントとして利用するのももちろんOKですが、現金化を考える場合はANAと同じように証券会社を利用できます。
dポイントを利用できる証券会社に「日興フロッギー」があるので、同社に会員登録を済ませます。
日興フロッギーは株の購入の際、100万円以下であれば手数料がかかりません。
株の売却の際には100万円以下であれば手数料は0.5%と安く、100万円を超えても1%が手数料の上限となります。
ANAのパターンと同じように購入した株を売却して代金を現金として受け取りますが、日興フロッギーでは登録した銀行口座に振り込んでもらう方法と、提携ATMから払い出しを受ける方法があります。
登録した口座に売却代金を振り込んでもらう場合は手数料はかかりません。
日興カードを持っている場合、以下の提携ATMからすぐにお金を引き出すことができます。
- 三井住友銀行
- 三菱UFJ銀行
- みずほ銀行
- りそな銀行
- 埼玉りそな銀行
- ゆうちょ銀行
- 東京スター銀行
- セブン銀行
- ローソン銀行
- イーネット
上記のうち三井住友銀行は手数料無料で、東京スター銀行とセブン銀行は一部の時間帯で手数料が無料になりますが、その他の金融機関は一回110円の手数料がかかります。
ATMからの出金の取り扱いは、1000円以上1000円単位となり、1日当たりの引き出し額は最高50万円までです。(別途手続きをすれば200万円に変更可)
▼dポイントを現金化する方法を掲載しています。
dポイントを現金化する最新の方法!
Gポイントを経由してマイルを現金化する方法
すでに株の売買や証券取引をしている人にとっては上の項で見た方法は親和性が高いかもしれません。
ただ前項の方法は証券口座の開設が必須であり、現在は証券口座の開設にはマイナンバーの提出が必要となっています。
証券会社にマイナンバーを提出するのに抵抗がある人も多いと思いますので、もう一つGポイントを使った方法も見ておきます。
Gポイントは社会で広く使われている色々なポイントを交換するサービスで、現金化も可能です。
ただしマイルを直接Gポイントに交換することはできず、一旦「JRキューポ」というポイントに変換する必要があります。
JRキューポとはJR九州のポイントサービスで、定期券の購入などに使えるものですが、九州で利用するあてがなくても、現金化のための媒体に利用することができます。
現金化の流れとしてはANAもJALも同じで、以下のようなルートをたどります。
マイル→JRキューポ→Gポイント→銀行口座から出金
ただしANAとJALでは条件や手順が違ってくるので、以下で分けて見ていきます。
ANAの場合
ANA用クレジットカードの発行
ANAのマイルをJRキューポに交換するには「JQ SUGOCA ANA」というJCBブランドのクレジットカードの発行が必要です。
https://www.jcb.co.jp/ordercard/teikei/sugoca_ana_tk2.html
同カードの年会費については初年度が無料、次年度以降は1,375円の年会費がかかりますが、一度でもカードで買い物をすればその年会費が無料になります。
ANAのサイトで10000マイルをJRキューポ 10000ポイント換算に交換できますが、同一年度内(4月1日~翌年3月31日)の提携ポイント交換マイル数累計が20000マイルまでと制限があります。
30000マイル以降は10000マイル=JRキューポ5000ポイントとレートが半減してしまうので注意してください。
JRキューポのポイントをGポイントに交換
次に、以下の手順でJRキューポのポイントをGポイント交換する手続きをとります
- JR九州Web会員に登録する
https://train.yoyaku.jrkyushu.co.jp/jr/pc/consumer/member/NewMemberAction.do - Gポイントの会員登録を行う
https://www.gpoint.co.jp/cp/welcome/ - JRキューポのポイントサービスサイトでGポイントに交換する
https://train.yoyaku.jrkyushu.co.jp/jr/pc/consumer/PortalTopMenu.do;jsidp1=kH6rdFjqrFsR6lop2QP88ut_wqU-2h2O!-41454348
Gポイントを口座に出金
Gポイントの出金用口座は有名どころのメガバンクやネット銀行、ゆうちょ銀行など多くの銀行が対応しています。
ポイントの出金は200ポイント以上から、100ポイント単位で可能です。
口座への出金の際に10%の手数料がかかるのが痛手ですが、6ヶ月に1回ショッピングや旅行の予約などでGポイントを利用すれば手数料の5%分が還元されます。
JALの場合
JAL用クレジットカードの発行
JALのマイルをJRキューポポイントに交換するには、ANAとは別の「JMB JQ SUGOCA」というクレジットカードの発行が必要です。
https://www.aeon.co.jp/card/lineup/jmbjqsugoca/
こちらはJAL専用のカードで、ANA用とは異なります。
年会費についてはANA用と同様で、初年度は無料、二年目以降は基本的に1375円かかりますが、1回以上カード決済を行えば無料になります。
JALのサイトでマイルをJRキューポに交換しますが、最低3000マイルからの交換となり交換できる上限は年(4月〜翌3月)に、30000マイルまでです。
10000マイル単位で交換する場合はJRキューポ10000ポイント換算で交換できますが、3000マイル単位で交換するとマイル数の半分のJRキューポしか交換できないので損が大きくなる点に注意してください。
JRキューポのポイントをGポイントに交換
この手順は上のANA用と同様です。
JRキューポ及びGポイントの会員登録をして、JRキューポをGポイントに交換します。
Gポイントを口座に出金
この手順もANAと同様です。
以上Gポイントを経由してマイルを現金化する方法を見てきましたが、踏まなければならない手順が増える分、手間と時間がかかることは覚悟が必要です。
まとめ
本章ではANAやJALのマイルを現金化する方法について見てきました。
基本的にマイルの現金化はレートの問題でお得とは言えないので、航空券の発行に利用するのがお勧めです。
どうしても現金化しなければならない時は各種のポイントやギフト券に交換したうえで、換金したりさらに別のサービスを介すことで現金化の道が開かれます。
他に手段がなくどうしても現金が必要だという時には、マイルの現金化も可能であることを覚えておいてくださいね。